元保険屋ブログ

元国内某生命保険会社勤務。主に保険に関する情報や大好きなバスケのことについて発信しています。

かんぽ生命だけが悪いのか?

昨年から取り立たせれている、かんぽ生命の不正販売問題。

顧客の利益を無視して、目標を達成するためにあの手この手で保険を販売していて、その手法がさすがに法的にも問題があるということで、経営のトップは引責辞任に追いやられ、保険商品の販売が当面業務停止と、重い処分が下った。

 

世間一般では、「かんぽ生命ってめちゃくちゃ悪いやつらやな。」などと言われ、あたかもかんぽ生命だけの問題と思って、この問題をスルーしている方々が多いのではないか?

 

元々新卒から10年以上保険業界に身を置いていた私の目から見れば、今回の問題はかんぽ生命だけに留まらず、ほとんどの保険会社にも同様の問題は発生しうるというか、もう既に実際問題はそこら中に溢れているし、これからも保険業界の悪しき習慣というのは変わらないとさえ私は思っている。

 

問題の本質は過剰なノルマである。

私が勤めていた会社の場合、1月ごとにノルマが設定されていた。

1月ごとのノルマになるとどういうことが起きるかと言うと、例えば今月目標ノルマの倍の数字を達成していたとしても、来月になると数字がリセットされて、少しでも数字が達成できないと、人間じゃないみたいな扱いを上司から受けて常に叱責を受けることになる。1月の目標ではあるものの、10日ごとに締め日というのがあって、そこでの到達状況も見られ、10日たっているのにまだ数字がゼロだとめちゃくちゃ怒られる。

このように全員とは言わないが、常に保険営業マンは数字を達成しなければいけないというプレッシャーにさらされながら生活をしているのだ。本当か嘘かは分からないが、私の勤めていた保険会社の営業の平均寿命は61歳であると上司から聞いたことがある。

 

それを聞いて私は驚いた気持ちより、「確かにな。分かる分かる。」と感じた。

実際こんな生活がずっと続けばそら長生きできないよって。

会社に60歳まで人生捧げて、やっとゆっくりできると思ったら残り1年の命って悲しすぎるなと思って、辞めたんですが、本当正解でした。

 

話を戻して、かんぽ生命の不正販売問題について

過剰なノルマの達成に向けて日々神経をすり減らす営業マンたち。これってかんぽ生命だけなのでしょうか?

 

正直違います。

 

ほとんどの保険会社において、徹底的に調査すれば同様の問題は出てきます。間違いないです。業界の体質は基本的にどこも変わらず、とにかく数字を達成すること。

いい商品を作るのは、低金利の時代なのでなかなか難しいため脳死状態。いい商品でなくともとにかく売ることしか考えていない保険会社。

 

営業マンの離職率とか半端ないですからね。

生保レディーと言われている方々は、新しく入った人とかで言うと2〜3年で8割から9割辞めていきます。まともな会社であればこんなことあるでしょうか?

 

今、日本で入れる保険商品というのはほぼほぼ魅力がないものばかりです。

そのため、営業マンはあの手この手で時には不正な方法で保険を販売してこようとします。今回はとりだたされていないですけど、

 

不告知教唆といって、保険の審査のため、健康状態を申告する告知というのがあるのですが、健康診断でひっかかったことがあるとか、少し通院しているとかで営業マンに申告しても「それは、たいしたことないんで報告しなくていいっすよ。」と本来やってはいけない健康状態の申告で、知らず知らずの内に嘘をつかされている契約者は多い。

 

各保険会社さん、ここらで業界の膿を出し切りませんか?

とりあえず、自社の不正販売の実態からきちんと把握しませんか?

 

そもそも今気づいたけど、金融庁は定期的に検査と称して調査しているのになんでかんぽ生命の問題に気づかなかったのか?

多分、知っていたんでしょうね。

だってかんぽ生命以外にも問題のある会社はあるのに、いまだにほっといてるし。

 

この国の闇は深い。